9〜10月は、大人向け英語コースも、アイデンティティービジネスブランディングコース®も1年のコースが終了しようとしています。マスター合宿・OZスクールツアーに参加された900英単語を終了した親子のJunior向けEnglish InternationalコースのClosed開催がはじまり、スタンダード通信コース・フルコンサルのお一人ずつのレポートもどんどん仕上げているところです。
新しいコースやプログラムの中では、これからの教育と時代背景にあわせてフレキシブルに対応できる一人ひとりが「本物の力」を身につけられるような仕組みに変えています。細かい部分の対応をできるよう一人ひとりの特徴を掴み、将来のヴィジョンや方向性を絞っていく過程は緊張感の中で、ワクワクします!こちらは、また受講中の方へ情報配信していきますね!
日本では、英語教育も「4技能」といわれ、大学入試も大幅変更となる予定で、教育に迷っているご両親が大変多いと思います。この英語教育も大学入試変更も、長く発信してきたことがやっと仕組みになってきたと感じる一方で、その先のヴィジョンをわからないままで親が焦ってしまうと、大きな負担を子供に与えてしまうことになると思います。これからの時代に必要な力は、「本物の力」であって一夜にして身につくものではありません。
さて、そんな中、留学も将来させたいという声が多く届いているので、こちらの記事の続きをアップします!
【レポート】中1オーストラリア単独留学①限界を超える力(1〜2週目)
の続きは
②留学の失敗と成功の分かれ目
「留学の目的」が今後さらに大きく分かれていくことになるでしょう。
1)英語や異文化に慣れること
2)明確な目的を実現すること
オーストラリアの教育機関や大使館の方と話していると、高校・大学の留学フェアなどでも以前とは少し来場者の傾向が変わってきていることが読み取れます。以前は、情報を集めにきていた留学希望者たちが、今では情報収集はネット上でするため、方向性や顔合わせなどの最終確認・最終調整のためにフェアに参加する人が多くなっているとのこと。ネットでわからない、本当のところは?を知るために実際に顔合わせをするということでしょう。
つまり、ある程度自分の道を絞った上で正式に留学する人が増えているということです。つまり、目的や目標が明確に決まって留学を決断する人が増えています。
お子様の留学の場合は、親子留学にしても単独留学にしても、さらにリスクはさらに高くなります。
失敗のリスクとして考えられることは
✔︎英語も日本語も中途半端になる
✔︎何が好きなのか方向性がわからなくなる
✔︎生活に慣れることや整えることで留学が終わってしまう
✔︎英語も日本語も一般的にはネイティブに見えるのに、どちらのコミュニティーと深く関わろうとすると心地悪い状態になる(参照=TCK:サードカルチャーキッズ)
✔︎帰国後、カルチャーショックで勉強や友人関係が億劫になる
✔︎どちらのカルチャーにも自信がもてなくなる
✔︎現地の辛い経験が、パーソナリティーに影響を与える(その逆ももちろんありますが、それだけを期待して留学スタートさせる場合のほうは準備不足でリスクが高くなります。
など、本当に様々です。海外赴任家族や、国際結婚、留学が増えている中、こういった事前知識と準備は、必要不可欠ですよね。(長期間の海外赴任を経て帰国する日本人の生徒の場合は逆で、日本の学校の勉強についていくことができず、自信を失ってしまう生徒もいます。)
TCKについては、アイデンティティークライシスという言葉などでバイブルでも表現しています。私自身TCKでしたが、今は両方の世界をいったりきたりすることが楽しくなり、世界が広がりました。どちらのコミュニティーでも、臨機応変に立ち居振る舞うことができればグローバルアイデンティティーが確立したことになります。
これは、行ったり来たりするだけで身につくものではなく、人間力が向上してはじめて訪れる世界なので、まだまだ私自身も進化中です!
シンプルに(1)を目的にする場合は、それを把握した上で留学をすることが大切です。体験のためとわりきり、期間もあらかじめリミットを決めることをお勧めします。お子様の場合は、この体験は年齢がはやいうちがお勧めです。その後の日本での意識の仕方と英語習得法に大きな影響があるからです。(オーストラリアスクールツアーはこれを目的に、体験と体系化された教育の知識と、学校見学を短期間で凝縮しています。)
ご両親の海外経験が少ない場合は、エイジェントにお任せの場合は(1)を目的にすると割り切り、親子で目標設定を共有することが重要です。(誰かに任せっきりにせず、子供がどんな世界にいるのか、何のために何をやっているのか、把握することは必須です。)
我が家の場合は、(1)は、今までも発信してきたように
小学校、毎年夏休みに3週間〜6週間のオーストラリアに滞在し学校に通うということはやってきたので中学入学前にクリアにしてきました。
そのため、目的と目標は
✔︎オーストラリアでゲストではなく、通常の生活を自分自身でできるようになること。
✔︎どちらの進路やキャリアパスを選んだとしても、どんな世界になったも、フレキシブルに対応でき、英語力が足りないことでそれが本人の選ぶ道の可能性をブロックすることにならないこと。
✔︎英語でも日本語でも、言語は関係なく、どんな方向に進んでいくのかの判断材料となる経験を積むこと。
✔︎日本というひとつの国からだけでは身につけることができない視点を育むこと。
(参照:中学生、特に12歳という年齢は、最後のクリティカルエイジです。サナギから蝶へ成長する最終準備をしている時期。15歳で大変化する前に何を食べるか、どんな刺激を受けるかによって考え方も、あり方も、視点が大きく影響します。
我が家は、12歳までに日本人としてのアイデンティティーを確立した上で、日本とは・・・を表現できるように中学の留学環境を整えたという背景があります。私自身は、高校生〜大学までをオーストラリアで過ごしましたが、100%勉学に励む力を出し切るまで、英語力だけでなく、多様性に対応できる人間力が整っていなかったと今だからこそ感じています。)
これが、中学の多感な時期できるようになることが重要だと、自分の経験と、数多くの2カ国を行き来する子供達や、友人家族を20年以上みてきて、それは明らかでした。
また、本人の強みをのばし、弱点を強化するために、短期集中できる環境がこの時期に必要でした。
そのために、オーストラリアについて1〜2週間は、私と次男のサポート拠点を整えること。
長男の学校とホームステイの様子を覗き、微調整をすることを繰り返しました。
うまくいっていないところは、学校やホームステイと毎日話します。特に学校側は、中学校で単なる語学留学だけではない、アイデンティティーの部分までを考えた対応(コンサル)には慣れていないため、かなりのコミュニケーション量が必要です。(このコンサルの部分が、サユリセンスの役割です)
調整したところは
✔︎ホームステイの衣食住環境(食事の環境は大変重要)
✔︎メディアアクセス量とITリテラシー
✔︎学校のクラス
✔︎日頃、どんなことを子供が感じているか(不便していること、楽しんでいることの両方を把握)
✔︎今後の進路を日本でも閉ざさないため、現地校申込み期間と学生VISAの申請タイミングや期間調整
✔︎日本の学校の転出届のタイミング
つまり、交流する機関や人は大変多く、現地校申請オフィスと各教科先生・日本の中学校・移民局( VISA担当者も含め)・ホームステイファミリー・私自身の宿泊先など、多くの人とのコミュニケーションをとりながら、政府や教育機関に沿った形で環境を整えていきます。
楽しくて、ワクワクする作業もあれば、多くのサポートと思いやりに心から感動して胸がいっぱいになる日もあれば、ないがしろにされたり、希望がかなわなかったりして、がっかり心を痛める日もあるのが事実です。
特に、オーストラリアスクールツアー2017を開催中は、息子たちと会えなかったときに学校からの心配な連絡が続きました。対応に忙しく眠れない日が続いた期間があり、これは英語で実際に状況を電話やメールでやりとりできてもこれだけの心配や対応があるのだから、多くの人に勧めるルートとしてはリスクが高く、メンタル的にも準備ができているご家族は少ないだろうと判断しました。
5〜6年学びを進めてきてくださった方々が、どんどん成長し、小学生で思考力・英語力ともに著しい結果がでているため、今後はどんどん海外へのルートとして橋渡しができたらと思い、リサーチもしましたがその道はすべての方に正直安易にオススメできる道ではありません。
また、現地校やインターナショナルスクールでも当たり前のスキルのため、やってくれないものがあります。現地校や英語スクールを始めるまえに、留学をする前に、海外赴任スタート前に、世界へ羽ばたく前に、準備しなくてはならないことは
✔︎異文化の基礎知識(生活編)例:水・治安・考え方・宗教・経済事情・身を守る術など
✔︎コミュニケーションの基礎知識(対人編)例:マナー・すべきこと・すべきでないこと
✔︎英語の基礎(子供と大人)例:読み書きの基礎の基礎(インターでもやりません)
トラブルがあったとき、うまくいかないときに、お金で解決できることとそうでないことがあります。予算ぎりぎりの留学も要注意ですし、オーストラリアでは現在一人400〜500万/年の留学費がかかることを考えると、上記の内容を知らずに単独留学を始めたあとのコストとリスクはイメージも難しくないはずです。
日本では、英会話のステージと、インターナショナルスクール・留学・海外移住や駐在など現地で自力でやっていける力を身につけるまでの間の教育が整っていません。日本ではやっていけるけれど、海外では急に手も足もでなくなる。海外ツアーやグループ留学プログラム参加はしたけれど、実践で生かせない。こんなことも原因で、国力が落ちています。
この基礎の基礎を徹底的に身につけることが、世界へのパスポートになると確信し、この部分を、現在、学びを真面目に進めてきてくださった方に少人数のClosedスクール(現Junior英語コース)としてはじめました。世界へのパスポートとなる準備をできるように。
20年前に帰国した際に懸念していたことが今、日本でおこり、教育業界が急激に変わろうしている状態をみながら、変革は簡単なことではないため、家庭で基礎力をつけることは必須です。
英語を話せることを目的に、あるいは、大学入試が変わることを目的に思考力・表現力を身につけることは、本末転倒です。「本物の力」を身につけるから、教育の道・キャリアパスが拓けるという順番が本来望ましいですし、子供も厳しいチャレンジの過程を家族と一緒に楽しむことができます。
海外や国内で、インターナショナルスクールからグローバルリーダーを育成する一流の学校を多く見学し、数々のリーダーインタビューもあわせ、実際に自分も息子たちも通うことをしてきた中で、今ひとつ、ここからAI時代に入る上での20〜30年後を見据えた上での答えがでたと感じています。
英語は当たり前の時代に、英語を目的にすることはナンセンス。英語が話せても、いい大学をでても、幸せが保証されない時代がやってきています。親の悩みは尽きないかもしれませんが、未来を予測すればすべきことはシンプルです。
留学の成功に欠かせないことは、ヴィジョンと目的を明確にすることと、そのための下準備を念入りにすることです。続く・・・
Hope you find this blog useful!
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Sayuri