【Limited Edition期間限定Podcast番組エピソード】NYの成功と失敗から、日本がこれからどう考え、行動すればいい?~Learn from Newyorkers how to protect yourself and your loved ones from COVID 19

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4月3日 NY(NY在住:田中さん撮影)

今回は、Sayurisense “Who you are makes the world a better place!”

Podcast番組の期間限定臨時エピソードとして、「NYの成功と失敗から、日本がこれからどう考えて、行動すればいいか」を一緒に考えるために、NY在住の田中さんへの生のインタビュー音声、撮影してくださった動画や写真をお届けいたします。

前回のエピソード「NYの新型コロナウィルスへの対応から学ぶこと(オーバーシュートに備えて)」の発信を聞いてくれた、福岡のラジオDJ時代からお世話になっている方から、ぜひ紹介したい方がいると連絡があり、NYの事情に詳しい田中さんを紹介いただきました。

「これから日本が大変になるから、少しでも情報と意識を共有しなくては」という同じ思いだったため、配信をすることになりました。

田中さんは、日本とNYのビジネスを繋げるお仕事や、日本のメディアなどで発信をされている方です。

NYの対策は的確で、クオモ州知事の愛溢れる対応やそしてリーダーの素早い決断について、前回のエピソードではご紹介しました。 それでも!人工呼吸器があと数日で足りなくなると言われていて、命の選別をしなくてはならなくなくなっている。

週末の地下鉄、ほぼ無人。

まだ感染者や亡くなる方の数のピークはまだこれからだと言われている中、日本時間4月5日夜11時にインタビューをさせていただいています。

そんな中、日本の対策や、私たち一人一人の行動が、世界から注目されています。

日本は緊急事態宣言が出るのか、経済対策はどうしたらいいのか、子供やお年寄りの安全をどう守ったらいいのか、仕事はどうしたらいいのか、本当に様々な情報が錯綜しています。

日本に医療崩壊が起こるかもしれない。そんな危機感を持ちながら、先の不安や心配ばかりで、どうプランをしていったらいいのか皆が混乱をしているところ、サユリセンスは、通常は報道番組ではないので、臨時号として期間限定で情報共有のために配信したいと思っています。(離れていても、心は一つ。)

4月5日夜11時にNYと繋げてインタビュー

Q1)CDCやジョン・ホプキンス大学でも発表はされていますが、NYの感染者のこの1ヶ月間の数字の推移を教えてください。

A1. =メリーランド州のジョンホプキンス大学が毎日更新し続けている米国の数字によれば、米国の感染者数は、2/1の感染者数8人。3/1の感染者数98人。この日に米国で最初の死者が確認されました。

3/31で19万人弱。死者は300人弱。(4/3では277,205人で、死者は6,593人)

NY州、NYCは特に比率が高く、感染者数/死者数共に全米の1/4~1/3を推移しています。

現在日本の感染者数はおおよそ2千人。日米の人口比でいうと現在の日本の感染者数で換算すると、米国では6500人弱の感染者が確認された3/16あたりのデータが目安となりそうです。

米国の感染者数の推移は、その1週間前は3/9で1000人弱。それが1週間後の3/16には6倍以上。そしてその2週間後の3/31には米国の感染者数は19万人で、1900倍以上。4/3時点では30万人に達するほどの驚くべき増加曲線を描いています。

これから想像するに、日本はこの2-3週間でなんとか喰い止めないと米国/NYC同様になってしまう危険性があるのではないでしょうか。

Q2)前回のエピソードで、最悪の事態に備えた上で、希望を持って対策・行動をしようと専門家の言葉をご紹介したのですが、NYは今、日本に報道されていないシリアスな状況があると思います。NYの現状を教えてください。

NYCでは市当局の意向により3/16以降は市内のほとんどのビジネスがシャットダウンされました。3/16以降はレストランやショービジネスなどが全て閉鎖。これはスポーツ施設や美術館や市内各所の観光地も同様です。

つまりミュージカル俳優、ミュージシャン、ダンスの先生、スポーツのコーチ、レストランのシェフやウェイトレス等々、特にNYCに多い職業の人たちが、3週間前から職を失っていることとなります。

そして彼らが3月末、そして4月末には家賃が払えなくなることで、住むところをなくす人が増えると懸念されています。

ホームレスのシェルターやDV被害者の保護施設なども感染拡大予防のため閉鎖となっており、街には行き場のない方が増えましたが、レストランが閉鎖で残飯漁りもできず、街中に人がいないので小銭を恵んでもらうことも出来ません。もちろん住むところもない。

さらには刑務所で感染が広がっているということで、市内の刑務所から囚人を解放しましたが、いうまでもなく仕事もなければ家もない。当然犯罪に走るので、市内では強盗などが増えました。

普段なら職を失えばとりあえずはレストランで皿洗いでも、と考えがちですが現在はそれも不可能。

これまでは女性の場合なら夜間帯の接客など、風俗関連が最後手段とされてきましたが、いうまでもなくこういう手段も選択することができなくなりました。

市内の大規模コンベンションセンター、セントラルパーク、競馬場の駐車場、テニス施設のインドアコートなどに臨時の隔離病棟が設置され続けており、しかも数が全く足りないのでその数は増え続けています。

病院の駐車場には冷蔵トラックが駐車され、臨時の死体安置所として利用されているほか、軍保有の病院船もハドソン川の埠頭に駐留されています。

Q3)日本もそのようになってしまうのでしょうか?
(感染を止められると思いますか?)

3週間前にはNYCもすごくのんびりしていました。皆が公園でバスケットに興じ、ライブコンサートで発散し、ミュージカルを楽しむ。それが今やこのような状況を招いてしまっています。

今、日本は本気で「やりすぎ」と思えるくらいの対策をしないと、NYC同様の惨状を招くことになってしまうと思います。やりすぎだったらそれでいいと思うべきです。やりすぎた時には後で笑えばいい。

しかし「足りなかった」場合にはもう取り戻せないことになるのではないでしょうか。そして「自粛」にとどまる現在では、日本はNYCと同じ轍を踏まざるを得ない状況になっているように見えて不安でなりません。

一方で日本はその人口に比して、感染者数や死者数が少ない事実があります。

この背景には、日本人の衛生観念や、手洗いなどの生活慣習によるものが大きいのではないかという考察は米国の専門家からも出てきています。

Q4)NYの成功しているところ、失敗したところ
(日本のロックダウンの定義は曖昧ですが、経済がストップしてでもすべき?)

ロックダウンからほぼ3週間。この間におけるNYCでの感染者数の推移には残念ながら鈍化の傾向は見られません。特にロックダウン直後からの増加傾向は、凄まじいものがあります。

しかしながら、子供の感染者は全体に比して非常に低い水準を維持しており、学校閉鎖など一定のロック・ダウンの効果はあったのではないかという見方もあります。

またすでに現時点で、日本で飲食店やバーやナイトクラブなどでの感染が報告されていることを見ると、レストランを閉鎖したNYCの決断は機能しているのかもしれません。

しかし前述の通りロック・ダウンの結果ビジネスが立ち行かなくなり、多くの失業者が街に溢れ、その影響がさらに各方面に波及、と二重三重の社会への悪影響が顕著です。


テニスのUS Openが開催されているナショナルテニスセンター。現在は臨時の隔離/治療施設として利用すべく改修作業が開始されています。インドアコートを入院病棟に。スタジアムコートを食料の保管/配給拠点として使用することとなっています。

Q5)今日本は、緊急事態宣言を出すか出さないかというところで、ギリギリのところなのですが、緊急宣言が意味があるのか・・・・「ロックダウンすると、無症状の感染者との濃厚な接触が逆に増えて、タイミングを誤ると逆に悪化する」という論文や意見もあります。いかがお考えですか?

NYCでもロックダウンの効果は大いに効果があったという見解と、効果は見られないというものと両極端です。加えて、これも前述の通り経済的な悪影響が多大なことから、ロックダウンそのものを否定する意見も少なくはありません。

ただ、現時点においてはコロナウィルスについて全てが解明しているわけではありません。であれば、無駄になろうとお金がかかろうと、自由が奪われようとできることは全てやるべきではないかと考えます。

例えば死亡、若しくは重篤な状態になりやすい高齢者や、次世代を担う用事が学童児童だけを外出禁止とし、一般の労働者は可能な限りのリーモートワークを行う。

リモートワークが不可能な業務に関わる方々だけは、従来業務を可能な限り制限して行うといった

「日本流の対策」

でも良いのではないかと思います。

ただ無用な外出などは、厳しく取り締まることは最低限と考えます。

Q6) 田中さん個人のお仕事、食生活などライフスタイルへの影響は?

当社の業務はそのほとんどが、日本ビジネスに関わる組織や個人をクライアントとしており、その中心はクライアントのビジネスの米国市場でのサポートであり、通常時からリモートオフィスであること。加えて業務のほぼ全てを自宅兼オフィスで行っていることもあり、現時点では業務形態そのものに大きな影響は見られません。

ただ、ちょうど年度末〜新年度開始時期ということで、例年なら日本からの出張者とともに業務にあたることも多いのですが、今年は日本からの米国出張が制限されていることで、例年以上の業務を請け負うこととなっているケースもあります。

もちろん中〜長期的にはクライアントの経営判断により、米国での事業の縮小/撤退は十分考えられることから、長期においては当社の業績が悪化することは時間の問題であるほか、将来における業務に関わるスタッフの確保など当社業務の根幹部分への影響も視野に入れざるを得ません。


市内の日本食レストランも閉鎖中。デリバリーとテイクアウトのみ。このレストランでは「従業員の健康のために明日以降は全ての営業を停止する(レストランオーナー談)」とのこと 。

Q7)アメリカでも情報が錯綜し出していますね。トランプ大統領は、自分はマスクはしないけれど、推奨すると言い出しました。WHOとCDCは、現在データを検証中だけれど、N95マスクは医療従事者に残しておいてほしいと呼びかけています。手洗いや消毒、Social Distanceと並行して実行してはじめて効果があると伝えています。手作りマスクの消毒法のガイドラインもないとのことですが、NY現地では、マスクについてどう感じますか?

3/16以降のロックダウン後もNYC市民の多くは外出時にはマスクの着用習慣がありませんでした。

特に、感染が急速に広まりだした3月上旬にはほぼ売り切れになっていたことや、販売されていても異常なほどの高額であったこと。医療関係者のマスクの有用性への疑問などがあったことなどが理由と考えられます。

一方日本では、マスクはもちろん以前より一般に普及しています。手洗いなども習慣化していますが、これが特に人口比率で見た場合に、日本での感染者や死者数が突出して少ないことにつながっているのではないかという見解は、今改めて指摘されています。

3月下旬に入ってからは、依然として高額かつ数量が限定された状況ではあるものの流通が安定してきたことで、着用している人が極端に増えました。継続して行われているロックダウンとともに、マスクの着用率が上がったことで、この併用によって感染者数の増加を抑えることができるのではないかと期待されています。

もちろん、自身の感染予防という観点ではその効果を疑問視する専門家は現在でも少なくありませんが、その一方では自身が感染していた場合の他者への感染抑止には大きな効果があることも共通認識であり、着用は継続すべきと考えます。
(医療従事者に行き渡っていることが最優先の中)

Q8)先の見通しがたたない中、これからどのようにお仕事をされていこうかなと、何か考えていらっしゃることはありますか?

当社の業務は、その顧客の大半が日本の行政機関やその外郭団体、地方自治体、加えて民間企業。そしてそれら組織の依頼を受けた調査機関や広告代理店などです。ですから日本のビジネスが停滞することに引きずられて当社への発注が減っていくことは避けられないと考えています。

短期的〜中期的には徐々に、しかし明確にその業務受注量は減っていくことでしょう。また業務を継続する際に重要となる外部委託先などにも制限が出てくるであろうほか、将来の人材の確保にも深刻な影響が出てくるものと考えています。

しかしながら、目先の問題としてその時点まで当社ビジネスが持ちこたえられるかどうか。これが直近かつ最大の課題となっています。

Q9)医療崩壊や経済面、情報の取り方など、日本の心配な点はありますか?

医療崩壊や緊急事態宣言以前の問題として、日本の報道機関のあり方が市民の健康維持の大きな妨げになっているのではないかという疑問があります。

情報収集に関しても、特に若年層がスマホ利用のオンライン経由での情報収集という点も問題と考えます。オンラインであれば各利用者向けに最適化した、広告宣伝の発信や表示が当たり前になっている現在、そもそも興味がなければ一切の情報が得られないことと表裏一体となっています。

つまり、今だに旧来のマスメディアに依存する中高年齢層は多様なネットの情報に触れることができない一方、若年層はTVを見ないことで、政府が発表し、TVや新聞で流布される情報には距離を持ったままとなっている。

結果としてどのようなそうであっても総合的な情報収集ができず、いびつな情報流布分布となっているように見受けられます。

医療従事者のボランティアを募るメッセージがスマホに表示されたとのこと。
日本も、どんなメディアにアクセスしても情報収集できるように、偏りがないようにすべきでは?

Q10)最後に、これから私たち日本人が必要だと感じることなど、Podcast番組リスナーへのメッセージをお願いします。

重要なのは各自の自制です。無用な外出をしない、可能な限り自宅にとどまる。これは、特に日本の方へは声を大にして伝えたいです。

「散歩くらいはいいだろう」

「家に閉じ込めておくと子供がかわいそうだ」

「そうは言っても大したことはないに違いない」

このような安易な考えがNYC同様の惨劇を招きかねません。

お金や手間や時間が無駄になるかもしれない。少々辛く不愉快でしょう。そして不便な思いをするかもしれません。しかし、考えられることは全てやっていただきたいと思います。

一方、今後機会があれば積極的にやっていただきたいこともあります。

自宅待機を強いられていることで、各家庭では普段と違う生活を強いられています。収入が途絶えたことによる金銭的な不安はもちろん、NYCの狭い住居に急に、そして常に家族全員が在宅し続けることの精神的なストレスは非常に大きいものと考えられています。

このようなことは日本でも同様な状況を招きかねないと想像します。

大人も同様で、これまで普通に出勤してオフィスで働いていたような方々の中には、リモートで業務ができると言っても、仕事の合間の同僚との雑談などができないなどの理由で非常に大きなストレスを感じている人が少なくないと言います。

すべての人々に、何らかの形での精神的な支援が必要となってくるでしょう。

ですから、今後機会があれば、皆さんのご家庭内だけではなく、何らかの形でボランティアやサポート活動などに是非とも関わっていただければと思います。

そしてこれは決して「誰かのため」だけではありません。

誰かと関わることで、支援をする側のストレスも軽減されることは確かですし、人とのつながりを実感できることで、前向きに上向きに転換できるはずです。

また、ビジネスでは、「これまでは国内ビジネスだけだったから」「地元密着でやってきたから」「海外市場なんて知らないから」ではなく、これまでとは違う視野/視点/思考を持ってみませんか。

子供達への教育も同様と考えます。

現在米国では全ての大学が施設閉鎖となっていますし、寮も閉鎖されたことから留学生たちは帰国を強いられる結果となっています。

しかし、全ての学生は必要に応じて、オンラインでの授業を受け続けています。

オンラインで授業を受けられるのであれば、今タブレットで授業を受けている世界中の子供達も、世界中の教育機関の授業を自宅で受けられるということ。 今、世界のどこにいても世界の誰とでも繋がることが可能となっています。

これまでにはなかった、柔軟な姿勢や広い視野を持ちましょう!

NY在住の田中さんに、お話を伺いました。大変な状況の中、本当にありがとうございました!

<お話を伺い、今と、これからの”大切なこと”を考えさせられます>

✅知ることの大切さ
✅情報を多角的に収集できる力の大切さ
✅「子供、年配の方、重症になりやすい方を守るため」に、無症状の感染者が弱い方にうつすことを避ける。もっとシリアスに、ソーシャルディスタンスをとらえ、自宅で過ごす。
(オーストラリアは罰金、13,000ドル(130万~150万円ほど!高い!ただ、保証は手厚い。)
元に戻る日を待つより、新しい働き方、考え方に早くシフトした方がいい
✅Social Distanceを大切にしながら、Stay Socialの大切さ
(会話すること。伝えにくいことを話す。私のエピソードもまたシェアしたいな。)
✅感染者は増えるものと考えて、1年半〜2年くらいのスパンで考えながら、「重症の方を救える医療を守ることを真剣に一人一人が考える」
”お互い、温かい言葉”をかけあうこと。助け合うこと!
(仕事や生活に影響が大きい方のサポートや、子供・困っている方のメンタルケア)
→ サユリセンスでは、休校中の子供達に、皆で一緒に英会話フレーズを集め無料英会話フレーズ第一弾がこちらに完成しました!)

今回の情報を、誰か大切な方、ひとりにでも共有して、一緒に考えるきっかけとなりますように。

ぜひ、今回のエピソードから皆さんが実践しようと思うことがありましたら、コメント、メッセージをお待ちしています。

次回は、WHOとも仕事しているドクターをお迎えできたらと調整中です。そういった専門家の情報や、セルフケアなどは、これから取り上げたいと考えています。リクエストやご質問もお待ちしています。

Please stay safe and we are all one!!!

Love
Sayuri